
されたい
第2章 初恋の続き
入り口の自動ドアまでの階段を登っている時、彼は私に名刺をスッと渡した
「あのさ…、良かったら今日、メールしてくれないかな?…待ってる」
意外にも真剣な表情の彼に、魅了されそうだった
「あ、うん…分かった…」
びっくりして、オドオドしながら受け取った私をみて安心したかのように、
「ははっ、ありがと。んじゃ、俺ちょっと急ぐな。…またね」
と言い、笑顔で前を走って行った…
その場で、ぺたんと座り込んでしまいそうだった
まさか、初恋の人…と、遭遇するなんて、それに、同じ会社なんて…
ふと、名刺を持っていることを思い出し、手元を見る
まだ胸の高鳴りが収まらない
