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君のすべては俺のもので

第1章 出逢い

『それってさー、今度神奈川で決まってる舞台の台本のセリフ?』

私は背後から聞こえる声に慌てて、振り返る。

すると―。

ドアに手をかけてこちらを見る二宮さん。

「そう……です」

恥ずかしい。

一気に顔が赤くなるのが分かる。

恥ずかしいいーー。


「めちゃくちゃうまいじゃん、俺もその舞台主役として出るんだよね。きっと香寺さんもオ―ディション受かるよ」

なんでだろう?

すごく、ものすごく二宮さんはあったかいの。

私はこんなあったかさ知らないよ。

一瞬で分かった。









貴方は遠い存在だって。

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