
君のすべては俺のもので
第1章 出逢い
あれから3週間が経ち―。
「なあ、まだ? 腹減ったんだけど? 霞」
テーブルに置かれたスプーンをパタパタとやって。
小学生か!
「もうすぐできます、待っててください二宮さん」
私はキッチンに立ち黄色の水玉模様がついたエプロンを着て。
お料理中。
なぜこうなったのか?
それはこっちが聞きたいですよ。
二宮さんいわく。
『この近くで撮影してて、レストランとかにあまりいけないから、ご飯を食べにきてるだけ』
だそう。
だから、なぜ私の家に?
知り合って間もないですよ?
ここのところ毎日夕飯は私の家で。
ホントは嬉しかったりもするわけで。
変な意味じゃない。
