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君のすべては俺のもので

第1章 出逢い

「そういえば、大学卒業してから、真田先輩に会った?」
 
 勝手にビールの缶を開けて飲み始める美帆。

おいおい。

まだ、客来てないぞ?

「んー会ってないよ」

「そうなんだ、二人ともお似合いだったのに。なんで告白しなかったのよ?」

私は大学生の時。

サークルで知り合った真田先輩が好きだった。

優しくて。

みんなに好かれていた先輩が。

誰にも分けへだてなく接してくれた先輩が。

でも、結局告白できなかった。

『ピンポーン』

そうこうしているうちにインターホンが鳴った。

「お、お来ました―ね」

そう言いながら座っていたソファーを飛び越えてさっそうとリビングを出て玄関に向かう美帆。

飽きれながら私も玄関へと向かう。

『こんばんわ!」

「こんばんわ、お久しぶりです。先輩」

背が高くてスラっとしてて、茶髪で耳にピアスをつけてて。

大学の時の先輩。

私が好きだった人。

真田 遥斗先輩が。

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