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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

酉善に入ると、二人で飲む時はカウンターだったが、奥のテーブル席に座っていた。


「お待たせ…。」


「お疲れ!詞、生中でいい?」


「うん。」


「おっちゃん、生中2つ!」


「あいよ~!」


「後、つくねと揚げ出し豆腐…だろ!」


必ず頼む私の好物を言いながら微笑む。


ズキン…。


何だか…胸が痛む。


「サンキュー!流石、柴多だね。」


誤魔化す様に笑って席に据わり、お絞りで手を拭いた。


生中は直ぐに、運ばれて来て


「はい、お疲れ様!」
「お疲れ様。」


カチン!とジョッキを鳴らす。

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