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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

路面店は、閉店前には帰してくれた。


「有難う!宮脇さん。また是非手伝いに来てね!」


路面店の店長さんが、わざわざ挨拶して見送ってくれた。


「勉強になりました!また宜しくお願いします!」


お礼を言って駅に向かうと、携帯が振動する。


ディスプレイには


『柴多弘治』


柴多…。


出るのに気が引けてしまうが、通話を押した。


『詞~!お疲れ様。路面店どうだった?』


本当に…私の事を気にしてくれてるんだ。


この柴多の優しさを素直に受け止めきれたら、どんなに楽だろう。


「柴多~!楽しかったよ!いい経験だった。」


『そっか、良かったな!ホームページに…高橋さんの名前も出てたけど。』


やっぱり、聞かれたか…。

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