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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

柴多は本当に良いヤツだ。


多分、柴多を嫌う人っていないんじゃないかなって思うくらい、出来た人間。


突っ掛かってくるのは、高橋さんくらいだろう。


そんな柴多が、自分なんかを大事に思ってくれてる…普通の女子なら喜ぶよな。 


でも、苦しくなるのは何でなんだろう。


素直に飛び込めたら、楽なんだろうけど。


私は自分のモヤモヤの理由が、まだ不鮮明だった。


あぁ…誰かハッキリさせてくれないかな。


自分の気持ちなのにハッキリしない事に苛立つ。


ものは試しに付き合ってみて…やっぱり好きになれなかったら、逆に良くないし…。


一人勝手に、ぐるぐるしてると


『詞!どうしたの無言になって?』


はっ!そうだ、電話中なんだよ!

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