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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「ごめん!榎田部長の余韻に浸っちゃったよ!」


そう誤魔化すと


『ははは~!何だよそれ!』


柴多は楽しそうに、笑って


『詞~今から飲みに行かない?』


「へっ!今から?」


『俺も早番で、上がり早かったからさ!酉善じゃなくて詞のアパートの方面でいいから。』


どうしよう…でも、今日は柴多のお陰で榎田部長に会えたしな。


「うん…じゃあ、それで良いかな…。」


受け入れると


『よっし!じゃあ、駅で待ち合わせな!何時に着くか、またメールするから。』


柴多が、めちゃ嬉しそうなのが伝わってくる。


これくらいで喜ばれるなんて、くすぐったい。


「分かった…。」 


携帯を切った途端、私は小さく溜め息を吐いていた。

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