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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

私のアパートの最寄り駅まで柴多は来てくれた。


高橋さんの事に触れない様に今日1日の事を話すと、終始笑顔で柴多は聞いてくれた。


時間も遅くなって来たから、店を出る。


「有り難う~!今日は、本当に楽しかったよ!」


「そう?良かったな!アパートまで送るよ。」


へ?私はともかく柴多は、駅も違うから遠回りになる。


「大丈夫だよ!いつも帰ってるんだから。」


すると柴多は、微笑んで


「もう少し、一緒に居たいからだよ。」


「あっ…。でも…。」


躊躇してると、私の手を取って歩きだした。


「えっ!ちょっと!」


ギュッと握られた手。
真っ直ぐ前を向く横顔。


何だろう…何かあるような気がしてきた…。


私は内心ドキドキよりビクビクしながら、引っ張られて行った。

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