テキストサイズ

そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「そっ!じゃあ続きだけど…。」


何かを察してか、その後は打ち合わせを真面目にし始めた。


「着きましたよ。」


車のサイドブレーキをかけて、保科さんが私たちの方に振り向く。


「えっ?着いた…。」


「宮脇ちゃんのアパートだよ。」


高橋さんは、伸びをしながら然り気無く言った。


「いつの間に!」


打ち合わせに必死になってる間に、アパートまで送って貰っていた。


「わ~!すみません!有り難うございました!」


車から降りようとすると、高橋さんが私の腕を掴み


「保科さ~ん!おでん食べたいなぁ~!」


なんて急に、言い出したもんだから


「分かりました。何がいいですか?」


「大根と卵は外せない…よね!宮脇ちゃん!」


「は、はい!」


条件反射で、同意してしまった。
すると、


「分かりました。しばらく待ってて下さいね。」


と、素敵な笑顔を残して、おでんを買いに行ってしまった。 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ