
僕らのために
第2章 夏空
「お待たせ」
後ろから浅井先輩の声がした。
振り向くと、水着の浅井先輩と高橋さんがいた。浅井先輩の水着は黒をベースにして黄色の模様が入っていて、高橋さんの方は空色の水着だった。
雑誌やTVであれだけ見なれた女の子の水着姿も、普段制服姿で記憶している自分の知り合いがしていると異様に興奮するのはなぜだろう。
僕と武田はほんの少しの間見とれて声がでなかった。
「え、何?何かおかしいかな?そんなに口をあんぐり開けて」
はっとして口を閉じた。あの口の軽い武田が言葉を失うくらい見とれていた。
「い、いえ。何も」
普段はああなのに、ここでこう言ってしまうあたりが武田の残念なところではある。
「お二人とも素敵です、とっても」
僕が素直な感想を口にした。素直な言葉ほど話して頭に熱がのぼるものはない。武田が隣で大きく頷いた。
「ありがと♪」
浅井先輩は白い歯を見せて笑い、高橋先輩は恥ずかしそうに視線を落とした。
「すいません、こんな陳腐な言葉で」
「フフッ。中村君は意外と詩人なんだねぇ。気の利いた言葉は、また次の機会に聞かせてね」
海からの風が僕の耳の裏をなでていき、僕の頭の熱を冷まそうとしてくれた。
後ろから浅井先輩の声がした。
振り向くと、水着の浅井先輩と高橋さんがいた。浅井先輩の水着は黒をベースにして黄色の模様が入っていて、高橋さんの方は空色の水着だった。
雑誌やTVであれだけ見なれた女の子の水着姿も、普段制服姿で記憶している自分の知り合いがしていると異様に興奮するのはなぜだろう。
僕と武田はほんの少しの間見とれて声がでなかった。
「え、何?何かおかしいかな?そんなに口をあんぐり開けて」
はっとして口を閉じた。あの口の軽い武田が言葉を失うくらい見とれていた。
「い、いえ。何も」
普段はああなのに、ここでこう言ってしまうあたりが武田の残念なところではある。
「お二人とも素敵です、とっても」
僕が素直な感想を口にした。素直な言葉ほど話して頭に熱がのぼるものはない。武田が隣で大きく頷いた。
「ありがと♪」
浅井先輩は白い歯を見せて笑い、高橋先輩は恥ずかしそうに視線を落とした。
「すいません、こんな陳腐な言葉で」
「フフッ。中村君は意外と詩人なんだねぇ。気の利いた言葉は、また次の機会に聞かせてね」
海からの風が僕の耳の裏をなでていき、僕の頭の熱を冷まそうとしてくれた。
