テキストサイズ

お嬢様のえっちな遊び

第6章 慈愛の歌に童子のラッパ

時折野生の狼みたいな目で物色してくる執事に女中たちが怯えてるとの声があったがエリスは無視した

己を捨てた恋人など忘れ、若い女はたくさんいるのだから、羊の群れに放たれた狼のように喰らえばいい―…
退屈な日常に辟易していたエリスは悪い考えを起こしていた






時は変わって列車の中
パトロンであるエリスはアルフを従えて孤児院に向かっていた
定期的な、視察であった

実をいえば館に若者が多いのも孤児院あがりの人間が多いからで、無論その過程では血と涙が滲む孤児たちの努力があるわけだが、エリスは趣味で働き口を提供していた

(みんな元気かしら)

窓の外の景色を見るエリス

アルフはその微笑みを見ていた
不幸ではないこともあった
エリスと出会えたことが男にとっては衣食住を満たせる、人生最大の幸運であったと自負している

だからこそエリスには逆らわない
あの日あの時出会わなければ路頭に迷い寒い場所くさい飯、あるいは生きているかもどうか怪しい

アルフは馬鹿じゃないし女は見るだけで胃がむかむかしてきたが主人のエリスだけは特別で黙って従った

ストーリーメニュー

TOPTOPへ