
イケメン部とあたし
第2章 出会い。
「ただいまー」
ウチは学校から10分くらいのところにあるマンション。そこの4階に住んでいる。
「おかえり栞菜。今日は早かったわね」
廊下を進んでリビングダイニングに行くと、お母さんが声をかけた。
「うん。結構早く終わったんだ」
そう言って部屋に足を入れたとき――
「姉ちゃんおかえりーっ!」
どーんっ。
「おねーたん、ぉヵえりーっ!」
きゃはーっ!
「うっ……」
いきなり体に二人、子供が巻き付いた。
大きな男の子は真正面からジャンプで飛び乗ってきて、小さい女の子は足に絡みついた。
うおおお…
「…じ、仁…麻都葉ただいま」
弟の仁(じん)、11歳と妹の麻都葉(おとは)、3歳。
麻都葉は足だし抱っこしても小さいからいいものの…
「無理無理無理無理!!仁、下りて!」
11歳児は無理だろうが!
すぐさま仁を下ろす。
ここまで持ちこたえたのは奇跡だろう。
