テキストサイズ

恋のハードル高し!!(に)

第1章 予兆

少し拗ねるものの、逞は首をかしげて私を覗くから、苦笑しながら許すのだ。


「もういいよ」


駅から昇降口まで手を繋いで歩けば、周りの視線が集まる。

これが、物凄く恥ずかしくて手を離したら、逞にしっかりと握られて『慣れろ』と一喝された。

一週間もすると、まだ視線を集めるものの気にならなくなって、本当に慣れって怖いと思う。


「ミラ、もうすぐ中間テストだけど大丈夫?」


サラッと現実の難問を投げかけられ我に返る。

大丈夫なわけがない。

背伸びして入った学校のレベルは、かなり自分の首を閉めていて、たまにある抜き打ちテストでは赤点ギリギリだったり。


浮かれてて、本業を怠った!!


「ミラ、勉強見ようか?」

「タクー!!神様!!」


逞は私の顔を見て笑ってそう言うから、本当に神に見える。


「流石に、彼女が留年とかイタいし」

「一言余計だよね?」

「本心だよ」

「うん、それだってば」


確かに留年はイタいけど、そこまでじゃないし!!って言うか、やっぱり一言多いんだよ!!

軽く傷つくわ!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ