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恋のハードル高し!!(に)

第1章 予兆

「帰ろうか、今日から俺の家に寄り道して勉強会だ!!」

「うわぁ……テンション下がる」

「じゃ、プリンでも買って行く?」

「食べ物で釣れると思うなよ?」

「じゃ、いらない?」

「……いる」


逞は大きな手で、わしゃわしゃと髪を掻き回し撫でるから、まだ伸ばし途中の髪は四方八方に向いてしまう。


「ん"ー!!ぐちゃぐちゃにしないでよ!!」


私が睨み上げて髪を直すと、口角をあげて私を見た後、手を伸ばしてくる。


「ほら、釣れた」


プリンで釣れたと笑う逞の手を取り、


「3つね」


と催促してやった。

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