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恋のハードル高し!!(に)

第1章 予兆

そんな時、逞の携帯が鳴った。


「またチカ?!」

「かもな」


私が逞を覗くと、苦笑した逞がカバンの中を探って携帯を取り出す。


「あ、違う。家からだ」


そう言った逞は私を見ながら電話に出た。

微笑んで指の甲で頬を撫でられる。

それがちょっとエロくてくすぐったくて、恥ずかしくて嫌なのに振り払えないのは、どこかで触られていたいと思うからなのかな。


「はい、何?……あぁ、今帰ってる。何か用?……は、何で。……意味わかんねーし、……つーか俺に関係ないじゃん?……はぁ?……あぁもう分かった!!……んー、分かったよ!!」


「……どうしたの?」


さっきまで笑顔だったのに、いきなり不機嫌になった逞は携帯を切ると、カバンに投げ入れるようにしまう。

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