
秘密の関係
第2章 彼女兼エサ
「綾斗様を殴ったのは美里様が初めてですね~」
「いきなりエサとか言われたら殴るでしょう」
「人の綺麗な顔になんてとしてくれてんだ」
「ナルシストって嫌だよねー」
私は小さく欠伸をしながら噛み付かれたところに絆創膏を貼った。
噛み痕なんて見られるわけにもいかないからね…。
にしてもじみに痛む…。
「エサって…まさか私の血が気に入ったの?」
「まあ、うまいしな」
「…っは、ならこの私にひざまづいて血をくださいって懇願したらあげ…痛い」
「どこの女王だよ」
ちょっとした冗談だったのに額を叩かれた…。
「まあ、エサになりたくないけど…これはエサにならないと殺すとか言われちゃう展開だから別にいいよ」
「あの、綾斗様…本当にこの娘人間ですか」
「そこまで従順だと怖いな」
「いや、私オタクですからこういうシチュは憧れなので…でも血を吸うのはほどほどに、倒れちゃうから」
「それどころか血を吸われる事に何の疑問を持たないとは…」
「大物ですね…」
「んー?」
