
秘密の関係
第1章 秘密
「綺麗な顔に生まれたからモテモテだよね海斗さんは」
「別にどんな顔でもいいですけどね」
はぁ、とため息を吐きながら学校に着くと私は早速うっとおしいものを見た。
校門前で群がる女子、女子、女子!
「先生~クッキー焼いてきたんですけど~」
「ありがとうございます。後でいただきますね」
「先生、あとで保健室に行っていいですか?」
「病気、怪我ならどうぞ。あ、ですが悩みも聞きますからよければ相談したいことがあるならどうぞ」
なんだろうね。
あの輝かしいほどの笑顔を浮かべて笑っている保健医は。
あの人は佐藤綾斗。
我が校の保健医だ。
