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悪魔と淫美な世界へ

第6章 ~揺さぶられる心~

 
 
 
激しい倦怠感の中、ゆきはゆっくりと目を覚ました。
 
だが、隣で眠っていたはずの魁の姿はなくゆきは身体を起こして部屋の中を見渡した。
 
 
 
「魁…?」
 
 
 
魁の姿は何処にもなく、ベッドの横にあるテーブルの上には朝食が置かれていた。
 
 
 
 どこ行ったんだろう… 
 いつも一緒だったから 魁がいないとちょっと 不安…
 
 
 
「ゆき様
 朝食はもう済みました か?」
 
 
 
ノック音の後、ドア越しから琉希の業務的な声にゆきはハッとした。
 
 
 
「いっいえっ
 今起きたばっかりでっ …」
 
 
「そうですか
 魁様の要望で湯を用意 したのでどうぞ
 では、失礼します」
 
 
「あ、あのっ…魁は…」 
 
「王としての務めをして います」
 
 
「そう‥ですか…」
 
 そっか…
 忘れてたけど‥魁は魔 界の王なんだもんね… 
 いつもわたしと一緒に 居るわけには‥‥
 
 
 
それっきり琉希の声は聞こえなくなり、ゆきはまたベッドに寝っ転がった。
 
 
 
 「はぁー…」
 
 少し離れただけなのに もう会いたくなってき ちゃった…
 
 魔界に来てから‥どん どん魁に依存していく のがわかる…
 
 
 
 由香‥元気かな?
 蒼空も…彼女が出来て 幸せだったらいいな― ――‥‥
 
 
 
ゆきの意識は徐々に薄れていき、重くなった瞼を再び閉じていった。
 
 
 
 
 
 

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