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案内屋 〜アンナイヤ〜

第1章 きさらぎステーション 其ノ一

陣内はその履歴書を広げ、目を通した。
「凛丸クン、履歴書は普通折っちゃイカンぜ?」
「え…あ…すみません…。」

社会経験など皆無に等しい分、恥をかいてしまった。

「まぁいいさ、別にウチは緩くやってるからね。細かいことはどうでもいい。」
「は…はぁ…。」
「ふーん。高卒か、で現在絶賛ニート中と。いわゆるフニーターってやつ?」

陣内は不敵に笑いながら言った

「別に、好きでそうなったワケじゃ…。」
「いやいや結構結構。ここじゃ人生に退屈した暇人はもってこいだからな。」

陣内はもう一度履歴書に目を通し、しばらく考えるような素振りをした。

「さてと…別にこのまま採用でもいいんだが。二、三質問がある。」

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