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案内屋 〜アンナイヤ〜

第2章 きさらぎステーション 其ノ二

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昼、12時15分。車が停車するのを凛丸は体の微動な揺れで感じた。
「オイ、起きろクソガキ。着いたぞ。」
渋谷の声でゆっくりと瞼を上げた。日差しが目に痛い。

「ここは?」
「馬鹿。目的地の静岡県新浜松駅だ。こっからは電車で動く。」

車から降り、地に足を着けた。
渋谷は凛丸を置いてズカズカと新浜松駅の入口へと向かった

「待って下さいよぉ!」
凛丸もようやく目が覚め、渋谷の後を追った。


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追いついた頃には改札を通りホームに居た。
人はあまりいない。

「そういえば、この仕事はスーツでやるんですね。」
そう、凛丸と渋谷は似たような黒い地味なスーツを着用していた。ネクタイこそ無いが、アルバイトにしてはエラく凝った格好だ

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