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案内屋 〜アンナイヤ〜

第9章 パラレル いん ざ ハイウェイ 其ノ一

陣内は凛丸に説明する内容を頭の中で出来るだけ簡潔にまとめた。

「まぁ、あれだ。迷子になる率がそもそも低いんだよ。意図せず、偶然パラレルワールドに行ってしまうのはほんのごく僅かの可能性。次元と次元の微妙なズレが引き起こすディメンショントラブルで、そこに偶然居合わせて、巻き込まれて迷子になる事自体がほぼ奇跡。そういうこと。」

なんだか諭されたような気分だった。

凛丸は不思議と納得した。

「騒がしいですね。全く。」

聞き慣れない声だ。
どこか厳しく冷たく、しかし悠然とした口調。

事務所の奥からカツカツと足音を立てて出てきた少年は、凛丸をそのキレのある美しさすら漂う瞳で見つめた。

凛丸よりも少し長い黒髪、スラッとした背丈。
女の子のように白い肌に、赤い瞳。

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