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案内屋 〜アンナイヤ〜

第3章 きさらぎステーション 其ノ三

渋谷の声のトーンが重くなった。
どうやら本気らしい。

「もしかして、牛が追いかけてくる…とかですか?」
「それならまだいいよ。後ろから来るのは一つめのトラップだ。恐らくな。」

言葉の意味が重い

凛丸と渋谷は早足でトンネル方面へと向かった。相変わらず来た路線を戻るようにしている。

二人に若干の疲れが見え始めた。

…あのう…

不意に声を聞く。渋谷は気付いて無いようだ。

それは人の声だった。しかも声から想定するに歳も佳境の男性。

凛丸は勝手に優しい地元民をイメージした。
きっと僕らが迷ったことを察知して、この先の道を教えてくれるのだろう。
そんな想像をして、凛丸は

振り向いてしまった。

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