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案内屋 〜アンナイヤ〜

第3章 きさらぎステーション 其ノ三

「…!?」
目をこじ開けて渋谷を見た。しっかりとした自意識が取り戻される。
発狂が収まる。

「来いッ!!」

何者かは既に真後ろに迫っていた。
渋谷は凛丸を背負い走り出した。

トンネルに反響して、後ろからの声は大きくなる。
まるで最後の詰めであるかのように。

必死に走る

恐怖感は渋谷の本能を掻き立てた。
だがそれが功を奏したのか、足が早まり、なんとかトンネル抜けた。
少しだけ、明るくなる。

後ろからの声は消えた。

だが同時に、何者かが目に入った。

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