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「あっ…。そういえば、凛丸って…名前…、名前で初めて呼ばれましたね。」

渋谷は驚いた顔して赤面した
不意にボロが出た

「うるせぇ！特別にクソガキじゃなくて名前で呼んでやる。感謝しやがれクソガキ！」
「結局、クソガキじゃないですか。」

凛丸に少しだけ笑顔が見えた。
渋谷も、僅かではあるが緊張が解れたようだ。

凛丸は思い出した
「あ、あと…さっきはごめんなさい…。取り乱したりして…迷惑おかけしました…。初仕事だっていうのに…。」
自分の失態を悔やみ、俯く。

「別に構わねぇさ。俺達の仕事は特殊だ。初めてならおかしくなっても変じゃねぇ。」

意外にも優しい声掛けだった。
しかしそれでも、凛丸にとっては気休めくらいにしかならなかった。