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五分とまでいかないが、それくらいの時間が経ち車は止まった。
駐車後、すぐにホテルで受付を済ませ部屋へと向かう。

渋谷が夜は一人じゃないと眠れないから、という理由からそれぞれ個室になったが、凛丸にとってはそれで充分だった。

基本的に、他人と深く関わるのが苦手だからだ。


凛丸はスーツの上着を脱ぎ、適当にベッドに腰掛けた。
同時に、深く溜息を着く。


「…渋谷さんの言ってたこと、まだいまいちよく分からないや…。要は怪奇現象のことなんだろうけど…。いきなりそれが現実だなんて言われても。」

しかし、思い出した。現実なのだ。
自分がつい数時間前に体感したものを
断片的に思い出される嫌な現象は、ナイフのような鋭利な頭痛となってフラッシュバックする。

そのありえない記憶の現象に耐え切れず、凛丸は頭を抑えながらベッドに倒れこんだ。