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案内屋 〜アンナイヤ〜

第4章 きさらぎステーション 其ノ四

徐々に薄暗さを増していく。
車の中だというのになんとなく外気の湿りを感じる。

山…というよりも、深過ぎる森のような
何か異形の者がそこに住まう空気が漂っていた

同時にカーナビももうほとんど機能していない。
カーナビ上での車は何も無い平地を走っている

「ビンゴですね…ナビは狂ってるし、色々と怪しい。」
「馬鹿。既にここは存在しない地域。今更何を言う。」

二人の間には沈黙が9割だったが、それは「何を話せばいいか分からない。」とかそういう類のものでは無く、異常な空間に居ることへの不安感と緊張感からのものであった。

「随分長い山道ですね。」

凛丸の言うとおり、それは余りに長い道のりだった。
山は外見からすれば都市部から少し離れたところにいくらでもある小山ほどのサイズだが、車はかれこれ一時間以上上り坂を登り続けている。


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