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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

「ま、すまんが許してやってくれ。ここではそれだけ緊張状態が続いているのだ。」

縄がほどける。凛丸は自由になった。

「あ…いえ、僕は…。」
「お主、どこから来たのだ…?」
「あ…えっと、東京です。」

当たり前の返答、しかし村長は悩ましい顔をした。

「東京…東京…おお!そうか、江戸か。江戸から来たのだな。いやはや申し訳ない。俗世との関係が絶たれしばらく経っているのでな、江戸と呼ばせてくれ。」

「あ…はい。」

不思議な感覚襲われる。まるで、異国に来たかのような感覚だ。

「…で、主は一体何をしにここへ?自力でここまで来たということは、迷い込んだわけでは無かろう?」

凛丸はそれに答えることに迷った。
仮にもここは牛頭。その中心である牛頭村だ。

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