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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

「お兄さんは…?」
「僕は凛丸。塔凛丸。」

凛丸はしゃがんで、少女の身長に合わせた。

「これ。手拭い。」

少女の前に差し出す。

「これ、わざと落としたんだよね?」

あくまで冷静に、語気を荒げずに

「僕に伝えたいことがある。そうでしょ?」

少女は黙ってうなづいた

「お兄さん、この手拭い模様…分かるの?」

今度は凛丸がうなづく。

「高校生の頃、社会科の先生が神仏に詳しくてね。牛頭と馬頭、珍しい鬼の名前だ。この模様の鬼は、まさにそれだ。地名に鬼の名前が使われている時点で何かおかしいと思ったけど。この村には牛頭と馬頭に関する重大な秘密がある。そうだね?」

「高校…とか。よく分からないけど、うん。そうだよ。」

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