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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

ボサボサの白い髪の毛に伸び切った白い髭
蛍光色の避難者用チョッキを着てキャップを被った老父だ。

その出で立ちから、遭難者だと凛丸は認識した。

どうやら村には誰もいない。人をさらうことが目的なら、この老父が声をあげた時点で何かが起きているはずだ。

凛丸は木陰から出て、老父に駆け寄った。

「大丈夫ですか!?」

老父はよろける。凛丸はそれを支えた。

「迷ったんじゃ…ここは…どこ…」
「とりあえず落ち着きましょう。どこか、空いている民家へ。」

凛丸は辺りを見回した。
一つだけまともに形を残している集会所のような場所を見つけた。

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