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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

「あそこで休みましょう。さぁ。」

凛丸は老父をおんぶして担ぎ、歩き出した。

どうやら馬頭には誰もいない。それ故に安心して集会所に入った

老父を降ろし、床に座らせる。
凛丸もまた一息つく。

集会所の中は異常に真っ暗で、目の前の老父の顔くらいしか見えない。

「若いの、ありがとう。お陰で助かった。」
「いえ…。それにしても、どうしてこんなところに?」

凛丸は疑問に思った。
自力だけで、この馬頭村に辿り着くなど何かおかしい。

ここに来た者は皆、自分らを除いては故意に誘い出されたのだ。

「山菜取りをしていたんじゃ…。気付いたら、ここに。」

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