
やっと、やっと…
第16章 再会、そして
時間が止まったように感じた
智己が、私を好きだと言った
夢じゃないか
こんなこともうあるはずないと思った
智己が私を真剣に見つめて
今までずっと好きでいたことを告白した
私は声も出ず、ぽかんと口が開いたまま
嬉しいはずなのに、
信じられない気持ちが勝って
状況を理解するのに時間がかかった
「びっくりするよな…
8年間もずっと好きなんて
いきなりごめん」
智己は眉をひそめて呆れたように笑った
智己の声に我に帰った私は元の位置に戻ろうと立ち上がりかけた智己の手を、掴んでもう一度隣に座らせた
「…待って、」
智己は驚いた様子だったが
私にされるがまま座った
「あの、…私も
私もずっと、智己のこと好きだった
今でも好きだよ」
私は声を震わせ
目を瞑り、一生懸命に言葉を絞り出して伝えた
ずっと伝えたかったことだった
ーーーーーぎゅっ
私は智己の腕の中に居た
「…本当に?
夢じゃない?」
私の肩に顔を埋めながら
智己が切なそうな声で問い掛けた
「うん、私も夢みたいだと思うけど、
本当みたい…」
智己の背中に腕を回し、
抱き返しながら答えた
「…唯、好きだよ、好きだ
大好きだよ」
「私も、好き…、本当に…大好き」
私たちは繰り返し、愛を伝えた
8年間ずっと言えなかった分
抱き合いながら何度も伝えた
