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やっと、やっと…

第16章 再会、そして


智己の家に着くと
私は智己に案内されて部屋に入った




「お邪魔しまーす・・・」




物が少ない部屋は
清潔にされていた




「飲み物出すから、そこ座ってくつろいでて」





テレビの前に三人がけくらいのソファがある


私はそこに座り
キッチンの方へ向かった智己を待った



一人暮らしの男性の家なんて
大学生になってからは何度かあったけど
今日は一段と落ち着かなかった

クッションを抱きしめると智己の匂いがして
胸がドキドキした



「お待たせー」



智己はお茶を入れて戻って来て
私の隣に座った




お茶を飲みながら
智己の会社の話を聞いたり
私は大学の話をした



さっきまでそわそわしていたのに
今では自然に笑い合うことができた







どれだけ楽しく話していても
もちろん沈黙もやって来る・・・





智己は私の肩を抱き寄せる


見上げた智己は
愛おしげに私を見つめている





「本当に・・・」





「・・ん?」




何か言いかけた智己を
覗き込む







「・・・っ」





智己は私の頭を引き寄せ






「・・・んっ」





キスをした









本当に、綺麗になった」





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