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秘密の約束

第19章 麻理の本音

「な、なにいってんの志穂〜!大場先生でしょ?ないない!」

「麻理が嘘つく時って、いつも左拳ぎゅっと握るよね…。」

私はテーブルの上にぎゅっと握りしめてある麻理の左手を見て言った。

そう言われた麻理はすぐに手をパーに開いたが、時すでに遅し。

「麻理…。」

私は麻理の顔を切なげに見た。

なぜなら、麻理は顔は笑っているのにいつ泣いてもおかしくないくらいの涙を溜めていたからだ。

「あはは…やっぱ志穂にはばれちゃうかぁ…まいったまいったぁ!」

目に涙を溜めて頭を掻く麻理を見た瞬間、私はどうしたらいいか分からなかった。

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