
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第6章 ~今年最後の締めくくり~
「で、お前何が欲しいんだ?」
「おせちの材料」
「ん、それなら近所のスーパーでも良かったんじゃないのか?」
繁華街まで行くバスに乗り込み、俺は目的地確認のため凛音に尋ねた。
「もう、デートなんだからいいでしょ?」
「コラ、あまりくっつくなって」
「いいじゃん、他に乗客いないし」
凛音は寄り添い腕を絡めてくる。
「誰が見てるかわからないだろ……今、だけだからな」
「……はぁーい」
この軽い返事がイマイチ信用ならないんだよな。凛音は甘えたがりだから、こんな関係にならなくてもこうしてただろうと思うが。
