天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第1章 ~お兄ちゃん~
「お前、俺が恐くないのか?」
「正直……ちょっとこわい。けど、お兄ちゃんならいいよ」
────いいよ、じゃあないだろ。
だが、少しは効果があったようだ。
しかし、この後どうすればいいのか……何も考えてなかった。
強気がダメなら……優しくしてみるか?
「無理するな……お前は大切な妹だ。いい兄でいさせてくれ」
思わず本音を言ってしまう。
最初からこうすれば良かったんだ。
「…………お兄ちゃんの意気地なし」
どうせ俺はヘタレだよ。
凛音は口を尖らせ不貞腐れた表情をする。
ちくしょう……可愛いな、もう。