天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第8章 ~初詣、神の前で背徳を願う~
「お待たせお兄ちゃん」
年に一度の華やかな衣装。
凛音は母親から着付けを教えてもらっている。毎年、一人で着物に着替えられるほどに。
「へへ、どう?」
毎年あきもせず同じことを訊いてくる。そして俺も七五三だな、とか馬にも衣装などと揶揄る。
それが、我が家の新年の挨拶だった。
「ああ……綺麗だ」
「へぇ? あ、ありがと」
凛音はそう言われると思っていなかったのか照れくさそうに笑う。
晴れ着の効果もあり慎ましく見える。
エロい凛音もそれは可愛いが、少し大人びた雰囲気を持つ凛音もまたいい。