天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第8章 ~初詣、神の前で背徳を願う~
「お兄ちゃん……なんか変わったね。どうしよ、ドキドキする」
「こんな俺は嫌か?」
「ううん、すごく嬉しいっ!」
凛音はガシッと抱きついてくる。
いつもの柔らかみがないのが少し残念ではあるが。着物というのはそれだけで男心をくすぐる。
「こら、はしゃぐな……着崩れるぞ、せっかくの晴れ着が」
「あ、やっぱりいつものお兄ちゃんだ」
「淑やかなのは見た目だけだな」
「お兄ちゃんは、そういう女性のほうが好きなの?」
「別にそういう訳じゃないが、女性の好みなんて考えたことないしな」