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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第1章 ~お兄ちゃん~



「凛音……もう、こんな事するなよ」


 俺は、葛藤の末それだけを言って立ち上がろうとした。

 ────刹那。

 ぷにゅ……と、柔らかくて、暖かい感触が唇に触れた。

 凛音は、俺の首に腕を回し自分の唇をくっつけてきた。

 呆然と、俺は眼を見開いたまま凛音の長いまつ毛を見ていた。

 ふわっと甘い香りがより鼻孔に届く。

 眼を閉じていた凛音はゆっくりと瞳を開け、その艶やかな眼差しを向けてきた。


「へへ、やっぱり甘いね」

 

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