テキストサイズ

天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第8章 ~初詣、神の前で背徳を願う~


 凛音なら本当に幸せな家庭を築けるだろうな。それを想うと少し居た堪れなくなる。

 手を出した責任、凛音の想いに応えた覚悟。俺はこの先この罪悪感と戦って行かなければならない。

 だからこそ凛音を幸せにしてやりたい。

 その想いも強くなる。

 手放す幸せはもう考えないことにする。

 凛音がそれを望む限り。


「俺は幸せ者だな」

「……そう言ってくれるとすごく嬉しい。けど、疚しい気持ちも芽生えちゃうね」

「お前は……すぐ、そっちに行くな」

「年頃の娘だもん仕方ないでしょ!」

「やらないぞ、晴れ着姿ずっと見てたいから」

 一応、釘を指しておく。
 脱がす楽しみは夜まで取っておくために。

 俺も年頃の男だからな。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ