天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第8章 ~初詣、神の前で背徳を願う~
家に戻ると、凛音は割烹着を着ておせちの準備とお雑煮を温めだした。
その姿をいつもの指定席で眺めていると、やっぱり凛音はいい嫁になるんだろうなと未来を想像してしまう。
両親の想いが凛音をそう育てたんだと想うと少し胸が痛むが……
「お兄ちゃん、出来たよ」
俺は立ち上がりダイニングテーブルにつく。
いくつかの重箱に彩り鮮やかな食材が詰まっている。そして俺の前に凛音は雑煮を置く。
カツオと昆布の出汁の香りがすっと鼻に届く。
「旨いな……母さんと同じ味だ」
「毎年一緒に作ってたから、良かった喜んでくれて」
「家庭的だな凛音は甘えん坊なくせに」
「だって、お兄ちゃんお母さんの料理好きでしょ? だから覚えたの。お兄ちゃんに喜んでもらいたくて」
凛音にエロさが無ければ本当に健気な女性だと感心してしまう。
動機は何とも言い難いが……