天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第9章 ~両親の帰宅、そして日常へ~
温泉旅行を終え、両親だけで両家の里帰りをしていた親たちが帰ってきた。
最後の冬休み明日から学校が始まる。
二週間あっという間だったな……
凛音との約束、両親の前ではいつも通りに過ごすこと。
凛音はその言葉通り母さんと一緒にキッチンで楽しげに料理を作っている。
「慎ちゃん胃袋疲れたでしょ、凛ちゃん御馳走ばかり作るから」
にこやかな笑顔と供に運ばれてきたのは七草粥。
「そんなことないもん、ちゃんとお兄ちゃんの健康を考えてバランスよく作ったよ」
「まぁ、凛ちゃん。成長したわね、お兄ちゃんの好きなものしか作らなかったのに」
ふふ、と、娘の成長を悦ぶ母さん。
俺は何も言えなかった。
ま、いつも俺はこんな感じだから別にどうってこともないのだが。