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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第10章 ~久しぶりの学校~



「凛音、腕を組むのは駄目だ」

「……うん、じゃあ手繋ご」

「それも、駄目」

 バスを降り、学校に向かう途中。
 チラホラと人の姿も見え始める。

「むー、ダメダメばっかり……今までは、お兄ちゃん何も言わなかったくせに」


 せっかく上機嫌になっていた凛音は唇を尖らせ拗ねてしまう。


「拗ねるなって……俺だって、本当は手を繋ぎたいんだから。いや、いっそ抱っこして学校に行きたいくらいだ」

「え……っ、それは……どうかと思うよ」

 わかってるよ……そんなコトするわけ無いだろ。でも、否定しながらも凛音は何処か嬉しそうに微笑む。


 何となく、凛音を抑制する方法がわかってきた。

 凛音は深く物事を考える方じゃない。

 だから、俺も凛音を求めている事を素直に表せば安心するのかも。

 凛音の為とは言え否定は拒絶と同じだからな。無邪気ながらも凛音だって不安な気持ちになってしまうのだろう。

 その、サジ加減は女性に不慣れな俺には少々難題だが────



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