天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第10章 ~久しぶりの学校~
久しぶりの学校、教室内はいつもより賑やかでざわついていた。
「おはよ桜井くん」
席につくと声を掛けてきたのは、コンビニで出会った御剣。
「ああ……」
「あはは、覚えててくれたわたしのこと?」
さすがにあの場面で出会したせいか印象に残っていた。あの時も制服だったし。
「ん、何だ。お前、愛奈と仲良かったのか?」
マナ? この場合御剣の事だろう。
「別に……そういう訳じゃ」
「珍しいな、お前が返事するなんて。何だ慎は愛奈が好みだったのか」
ヒカルはニヤついた顔をしながら言う。
挨拶しただけだぞ?
どこをどうしたら、そこまで話が飛躍するんだ。
確かに俺が挨拶すら女子と交わすのは珍しいことだから仕方ないが。