天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第12章 ~いもうと~
バスに揺られること三十分あまり。
地元に近づくに連れ、乗客は俺たちだけになる。
いつものバス停ではなく、家よりやや離れた所で降りる。
母さんに頼まれたらしくスーパーにて玉子を買いに行く為だ。
「お兄ちゃん歩いて帰ろ」
目的のものを買ったのち、人目も気にせず凛音は自然と腕を組む。
バスで五分、歩いて二十分程。
街外れに家があるため微妙な距離を歩く。
「お兄ちゃん、明日何時までバイト?」
「三時まで」
「そっか、じゃあ明日は早く帰ってくるんだね」
「凛音は……遊びに行かないのか?」
普段、こんな事聞きもしない。
だからなのか。少し、キョトンとした表情で俺を見上げる。