天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第13章 ~ヤキモチ~
「ふふ、新鮮な反応。可愛いね桜井くん」
クスクスっと揶揄ように、イタズラな笑みを浮かべ御剣は更にカラダを近づけてくる。
「御剣先輩、お兄ちゃんに変なことしないでくださいっ!」
グイッと凛音に腕を引っ張られ御剣と距離はとれたが、俺の腕は柔らかな感触に包まれてしまった。
こんなトコロで……
俺は羞恥を晒すわけには行かず、全神経を集中させ賢者のように……心を落ち着かせる。
しかし、怒ってるのか妬いてるのか、凛音は「ふんふん」っと、俺の耳元で息を荒げてる。
唯一の救いは俺が先ほど上着を貸したおかげで、その感触はやや誤魔化しが利く。
生肌だったら……ヤバかったな。