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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第13章 ~ヤキモチ~


 ジャグジーは全面ガラス張りの個室にあり、まるで屋外に居るような開放感があった。

 繁華街にあるスパ、高層ホテルから見える街並みの向こう、広大な水平線がその癒しの効果を高めた。


「いい眺めだな」

「だろ? 夜だと夜景が見えてもっと綺麗なんだけどな」

「へぇ」

 男ふたり。
 泡だったジャグジーに入り、景色を眺めるのは妙な光景である。

 この場に華を添えてくれる女性陣たちは長い髪を纏めるため先に俺たちはジャグジーを堪能した。


「慎、今日ここに泊まっていけよ。凛音ちゃんも喜ぶぞ」

「……ま、そうだろうけど」

「心配するなって、ふたりきりにしてやるから」

 それは嬉しい気遣いだが、その気持ちをどう捉えていいのか。

 ヒカルは俺のためじゃなく凛音のために言っているのはわかる。

 もちろん、変な意味じゃなく純粋に凛音に夜景を見せてやれってことなんだろうけど。


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