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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第1章 ~お兄ちゃん~



 大切なのに……大切なのにできない。

「お兄ちゃんも……辛い?」

 凛音の手が俺の頬を触れた。

 暖かくて、柔らかな手が。

「こんな時に……どうしよ、嬉しいよお兄ちゃん」

「嬉しい?」

「うん……だって、私のために必死で考えてくれてるんだよね。だから、凄く嬉しい……顔がニヤけちゃう」

 凛音は、へへっといつものように笑った。

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