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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第15章 ~節分~



 次に箸を伸ばしたのは五目豆、柔らかく煮込んであり、醤油の辛さを砂糖が甘く和らげる。

 そして、筑前煮……は、もう言うことなしだな。

 口の中にコロコロと大きめに刻んだ野菜の歯ごたえジュワッと甘じょっぱい味が広がる。

 完璧……そう、言わざる負えない。

 凛音の料理は男の胃袋をガシッと掴む。

 だが、敢えて俺は言いたい。


「凜音、飯は?」

「へぇ? ご飯? 今日は節分だよ」

「わかってる……だが、これをオカズだけで食べろというのか?」


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