天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第15章 ~節分~
「凜音、太巻きも食べるから白飯もくれ」
「え、食べ過ぎになっちゃうよ」
「この料理に白飯無しで食うほうが拷問だ。な、お願い」
少し、凛音に見習い甘えておねだりしてみる。兄のプライドよりも白飯である。
いっそのことその太巻きを齧ってやってもいいが、そこはさすがに申し訳ないと俺なりの妥協案だ。
「……あれ? もしかして口に合わなかったの?」
「逆だ、旨いから欲しくなるんだろ。お前の料理が俺に合わないことがあったか?」
ぽうっと、凜音は頬を少し染め「もう、仕方ないな……」と、キッチンの方へ行く。